\(2^{n}\)の最高位の数字の出現頻度

上級

生徒の解答

最も多く現れる最高位の数字は「1」

その個数は30

この問題がおもしろそうだったので、私が勤務する高校の生徒に出題しました。解答受付のformsを設置したところ16名の解答者が現れ、そのうちの12人がドンピシャで個数を当てておりました。

次の授業で解説を依頼すると、A君O君K君の3人チームが解説を引き受けてくれました。解答は次の通りです。

  1. \(k\)を2以上の自然数とする。\(A(k) = \{2^{n} | 2^{n}はkケタの自然数\}\)とすると、\(A(k)\)の要素に最高位の数字が「1」のものがただ一つある。
  2. \(2^{100}\)は31ケタの数であり、\(2^{99}\)は30ケタの数である。

2の累乗を書き出してみると、

\(2,4,8, 16,32,64, 128,256,512, 1024,2048,4096,8192, 16387,\cdots\)

である。1ケタの2の累乗には最高位の数字が「1」であるものはない。また、1.2.より\(2^{100}\)の最高位の数字は「1」である。ここで、2ケタの2の累乗に最高位の数字が「2」であるものはないので、最も多く現れる最高位の数字は「1」となる。

その個数は、1.より2ケタから30ケタまで最高位の数字が「1」であるものは1個ずつあるので29個ある。これに\(2^{100}\)の1個を加えて30個となる。

2.は常用対数を用いて証明されていました。1.も背理法を用いて証明されていました。私の解答がなんと陳腐なものか・・・。しかし、1.を見つける洞察力は素晴らしいです。生徒のもつ可能性に触れると、なんとも嬉しい気持ちになります。

コメント

  1. いわちゃん より:

    こんな問題を創作したTommy先生もすごいけど、それに正面から挑む生徒たちもすごいですね。

    kを2以上の自然数とする。A(k)={2n|2nはkケタの自然数}とすると、A(k)の要素に最高位の数字が「1」のものがただ一つある。

    という発見が、生徒の解答の鍵ですが、これは、実際に書き出して、よく観察する中で、見いだしたものだと思われます。

    数学の問題を解くときの、お手本的態度ですね。

    いやぁ、お見事でした。

  2. Tommy より:

    コメントありがとうございます。
    生徒たちの意欲というか粘りはすごいです。
    こういう姿勢が、国公大学の2次試験で合格点をとるパワーの源になります。