区別ができないものの確率とプラトンのイデア論

基礎・基本

私が確率の授業の最初に必ず生徒に考えさせる問題

十円玉1枚とと百円玉1枚を投げたとき、\(2\)枚とも表の確率を求めましょう。

表裏の出方は、(十円玉、百円玉)とすると、
(お、お)、(お、う)、(う、お)、(う、う)
の\(4\) 通りです。
よって、\(2\) 枚とも表の確率は、\(\displaystyle\frac14\) ですね。

では、区別のつかない十円玉 \(2\) 枚をのときはどうでしょう?

<考え方1>

上の十円玉と百円玉と同じで、\(\displaystyle\frac14\)

<考え方2>

(十円玉、十円玉)とすると、(う、お)と(お、う)は同じだから、表裏の出方は、
(お、お)、(お、う)、(う、う)
の\(3\)通り。
よって、\(2\) 枚とも表の確率は、\(\displaystyle\frac13\)

生徒に手を上げさせて意見を求めると、圧倒的に<考え方2>の\(\displaystyle\frac13\)になります。直近の授業で同じものを含む順列を学んでいる影響もあるかもしれません。

さて、どちらが正しいでしょう?

結論だけを教えるのではダメです。なぜ、そうなるのか納得させる必要があります。

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