数学で育てるべきは「視考力」
数学の「視考力」は、糸山英太郎氏が提唱したもので、数学的な問題や事象を視覚的にイメージし、それを操作したり変形したりする力のことです。数学の視考力は、思考力、判断力、表現力などの基礎となる能力であり、日常生活や社会の事象に対して数学的な見方や考え方を身につけることに役立ちます。
数学の得意な人の脳の中では、様々な数学的なイメージが飛び交っています。例えば、三角関数の値を求めたり、三角方程式・不等式を解くときは、単位円の動径がグルグルと回るイメージが浮かんでいるはずです。また、2次関数の最大・最小を求めたり、2次不等式を解くときには、2次関数のグラフを頭の中で自在に動かすことが求められます。
数学の苦手な人は、数学的イメージなしに、記憶力で問題を解こうとします。暗記したことは必ず忘れるので、いつまで経っても数学の力が身につきません。暗記するために費やした努力がすべて無駄になります。
「視考力」を育てる数学脳トレーニング
私たちが開発・提供しているPUCFlashは、どんな使い方でもできるので、単純な計算ドリルやパターン別の解法の暗記などの教材を作成することも可能です。しかし、私たちは、そういう教授法・学習法を嫌悪しており、そういうものへの対案・アンチテーゼとして、「視考力」を身につける数学脳トレーニングを提唱しています。
「反復ドリル」と聞くと、「ドリル主義」というレッテルが貼られ、考える力が身につかないという批判がなされることがあります。確かに単純な計算ドリルで活性化される脳の領域が限定的だと考えられるし、暗記力に依拠する学習法は、しばらくすると剥落して、膨大な努力が無に帰してしまいます。
それに対して、私たちがPUCFlashをツールにして提案している学習法は、「視考力」を育てる数学脳トレーニングです。反復トレーニングなしにはいかなる能力を身につけることはできません。
反復ドリルが悪いわけではありません。問題は、何を反復し、どんな力を身につけるかです。
「視考力」を育てる数学脳トレーニングの典型例として、三角関数の値、三角方程式、三角不等式が一瞬で解けるようになるトレーニングを紹介します。
「三角関数の値を一瞬で求める」に続く
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