合同式 \(\rm mod\) をすべての高校生に!!

基礎・基本

足し算、引き算、かけ算、べき乗は、等式と同じ

合同式の両辺に同じ数を足したり、引いたり、かけたり、べき乗しても、合同式は成り立ちます。

例 \(8\equiv2\pmod3\) の両辺に \(2\)をかけると、
\(16\equiv4\mod3\) となるが、\(16\equiv1,~4\equiv1\pmod3\)であるから、合同式は成り立つ。

例 \(8\equiv5\pmod3\)の両辺を2乗すると、
\(64\equiv25\pmod3\) となるが、\(64\equiv1,~25\equiv1\pmod3\)であるから、合同式は成り立つ。

合同式を同じ数で割るときは要注意!

ところが、割り算の場合だけは、特殊なので気をつけなければなりません

例えば、\(6\equiv2\pmod4\)は成り立っています。その両辺を\(2\)で割ると、\(3\equiv1\pmod4\) となりますが、これは明らかになり立ちません!!

えっなぜ??

これは、数式の形式だけで判断して、その背後にある本質を見ないことから起こる間違いです。合同式は簡潔に表現されていますが、対照表で示したとおり、その背後では、具体的な等式の計算が行われています。

例えば、\(6a\equiv2b\pmod4\) が成り立っているとします。
その両辺を\(2\)で割ると、\(3a\equiv b\pmod4\)となりますが、これは成立しません。
合同式の両辺を\(2\)で割るという計算の背後にある、等式の計算を見てみましょう。

合同式元の計算
\(6a\equiv2b\pmod4\)\(6a\)と\(2b\) を\(4\)で割った余りが等しいから、
\(6a-2b\)を\(4\) で割った余りは\(0\)である。
つまり、\(6a-2b=4k~~\)(\(k\) は整数)
両辺を\(2\)で割ると、
\(3a\equiv b\pmod4\)
つまり、\(3a\)と\(b\) を \(4\) で割った余りは等しい。
両辺を\(2\)で割ると、
\(3a-b=2k~~\)(\(k\) は整数)
つまり、\(3a\)と\(b\)を\(2\)で割った余りは等しい。

結果の不一致は、両辺を割る数 \(2\) と 合同式の法 \(4\) が公約数 \(2\) を持つために起こります。

正しくは

\(a\)と\(m\) が互いに素であるとき、
\(ax\equiv ay\iff x\equiv y\pmod m\)

このことは、合同式を使って余りを求める問題を解く際は、気にしなくても大丈夫ですが、合同式を使って、整数方程式を解く場合には、注意が必要なので、記憶にとどめておいてください。

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