特徴
観賞用植物として導入されたものがため池や湿地で野生化している。
多年生の浮遊植物で、水面や湿地で重なり合ってマット状になる。
茎は細く直径1mm以下で、長さは20cm以上に伸びる。
少数の捕虫嚢をつけた繊細な葉が二叉分枝状につく。
在来のイトタヌキモ(ミカワタヌキモ)と、花がない状態では識別できない。
花は黄色で、在来のイトタヌキモの花が全幅3~4mmであるのに対して、オオバナイトタヌキモは花の全幅が約1cm以上あることで識別できる。
一般に在来のイトタヌキモは冨栄養のため池では見られないが、オオバナイトタヌキモは冨栄養のため池でも見られる。
名前の由来
和名「オオバナイトタヌキモ(大花糸狸藻)」は「イトタヌキモに比べて花が大きい」という点に由来するとされる(出典:多摩発信の山野草ブログ)。
また、属名「タヌキモ(狸藻)」は、茎葉が水中を浮遊して糸状に広がり、その姿をタヌキの尾に見立てたことから名付けられたとされる(出典:タヌキモ|あおはくたき)。
よって、本種名には「大きな花をもつ糸状に広がるタヌキモ」の意味が組み込まれている。
同定上のポイント
- 花が直径約1 cm(10 mm)前後と比較的大きい点で、類似の在来種イトタヌキモ(花径3~4 mm)と識別可能である。
- 富栄養なため池等でもマット状に浮遊・定着している例があるため、そうした環境で見られた糸状浮遊植物は本種の可能性を疑う。
- 花が見えない状態では、茎や葉状器官だけでは識別が極めて難しく、花付き個体を観察することが重要である。