### 特徴
ベニシダは日本各地の山地の林床に生育する常緑性のシダ植物である。
根茎は短く直立し、多数の葉を叢生させる。
葉は長さ30cmから70cm程度になり、葉身は広披針形から卵状披針形で、2回羽状複葉である。
羽片は基部で最も幅が広く、先端に向かって細くなる。
小羽片の縁には鋸歯がある。
葉質は革質で光沢があり、やや硬い。
葉柄と中軸には茶褐色の披針形の鱗片が密生する。
ソーラスは円形で、小羽片の裏面の中肋と葉縁の中間あたりに多数つく。
包膜も円形で、縁は全縁である。
### 名前の由来
「ベニシダ」という名前は、春に展開する若葉が鮮やかな赤色を帯びることに由来する。
この赤色は、アントシアニン色素によるものであり、成長とともに緑色に変化する。
「紅色のシダ」という意味合いを持つ。
### 同定上のポイント
-
オオベニシダ:ベニシダよりも全体的に大型で、葉柄基部の鱗片がより大きく、黒褐色から暗褐色で密生する点で区別できる。オオベニシダの若葉は赤みが弱いか、ほとんどないことが多いのに対し、ベニシダの若葉は鮮やかな赤色を呈する。
-
ヤワラシダ:若葉が赤くならない点でベニシダと異なる。葉質はベニシダよりも薄く、やわらかい印象がある。
-
サイゴクベニシダ:ベニシダに似るが、羽片の切れ込みがより深く、小羽片が細かく裂ける傾向がある点で区別できる。葉質はベニシダよりやや薄いことが多い。
-
ミヤマベニシダ:高山帯に生育し、全体的に小型である。葉質はベニシダよりも厚く、光沢が強い点で区別できる。