### 特徴
中国原産の落葉高木で、庭木や公園樹、果樹として広く植栽されている。樹高は6〜10mほどになる。樹皮は灰褐色から緑褐色で、成長すると薄片状に剥がれ落ち、幹の表面に独特のまだら模様(雲紋状)ができるのが大きな特徴である。
葉は互生し、長さ4〜8cmの楕円形または倒卵形で、縁には細かく鋭い鋸歯があり、鋸歯の先には腺がある。
花期は4〜5月頃で、新葉の展開と同時に、枝先に淡紅色の5弁花を1個ずつ咲かせる。
秋(10〜11月頃)には、長さ10〜15cmほどの倒卵形から楕円形の大型の果実が黄色く熟す。果実は非常に硬く、強い芳香を放つ。石細胞が多く酸味や渋みも強いため生食には向かないが、果実酒や砂糖漬け、咳止めの民間薬などに広く利用される。
### 名前の由来
材の木目が美しく、マメ科の銘木である「花櫚(カリン)」に似ていることから名付けられたとされる。また、「金を借りん(カリン)」という語呂合わせから、商売繁盛や縁起を担いで庭木に好んで植えられることもある。
### 同定上のポイント
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マルメロ:果実の見た目や強い芳香が酷似するが、マルメロの葉縁は全縁で鋸歯がないのに対し、カリンの葉縁には細かい鋸歯がある。また、マルメロの果実は表面に灰白色の綿毛が密生するのに対し、カリンの果実は無毛で滑らかであり、樹皮が剥がれてまだら模様になる点でも見分けられる。
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ボケ:同属に近く花や果実の雰囲気が似るが、ボケは樹高1〜2m程度の低木で枝に鋭いトゲがあるのに対し、カリンは高木に成長しトゲをもたない。また、ボケの樹皮は縦に裂け目が入る程度で、カリンのように薄片状に剥がれて幹がまだら模様になることはない。