### 形態
ツツジ科スノキ属の常緑小低木である。高さは5〜30cm程度で、地下茎を伸ばして群落を形成する。茎は細く、地面を這うように広がる匍匐性を示す。葉は互生し、長さ1〜3cmの楕円形または卵形で、厚く光沢のある濃緑色をしている。縁には鋸歯がなく、裏面は淡い緑色で、腺点はない。春から初夏(日本では5月下旬から7月頃)にかけて、枝先に総状花序を出し、白色または淡いピンク色の釣鐘形の花を数個つける。花冠は長さ4〜6mmで、先端は浅く4裂する。果実は直径8〜12mmの球形の液果で、夏から秋にかけて赤く熟し、強い酸味があるが食用となる。
### 分布と生育環境
北半球の亜寒帯から寒帯にかけて広く分布する。日本では北海道から本州中部以北の高山帯に自生し、岩場や砂礫地、ハイマツ帯の縁などで見られる。日当たりの良い乾燥した場所を好み、厳しい環境下でも生育できる耐寒性を持つ。
### 特徴
コケモモの果実はクランベリーに似た強い酸味と独特の風味があり、生食だけでなく、ジャム、ソース、ジュース、菓子などの加工品として広く利用される。特に北欧諸国では伝統的な食材として親しまれている。ビタミンCやアントシアニンなどの栄養素を豊富に含み、薬用としても利用されることがある。例えば、北米の先住民は膀胱炎などの治療に用いていたとされる。また、その美しい常緑の葉と赤い果実から、園芸植物としても栽培されることがある。
### 名前の由来
和名の「コケモモ」は、株全体が苔(コケ)のように地面を這うように低く広がる生育形態と、丸く赤い果実が桃(モモ)に似ていることに由来するとされる。
### 同定上のポイント
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クロマメノキ: 落葉小低木で葉が薄く、秋に紅葉して落葉するほか、果実が黒紫色に熟す点で、常緑で革質の葉を持ち赤い果実をつけるコケモモと区別できる。
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ウスノキ: 落葉性で葉裏に腺点があり、花冠や果実の先端に5本の明瞭な稜(角)がある点で、常緑で葉裏に腺点がなく球形の果実をつけるコケモモと区別できる。
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ガンコウラン: 針状の細い葉が密生し、果実は黒色に熟す点で、楕円形の革質な葉を持ち赤い果実をつけるコケモモと区別できる。
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ツルコケモモ: 茎が極めて細く地面を這い、花弁が外側に大きく反り返る点で、枝が立ち上がり鐘形の花をつけるコケモモと区別できる。