特徴
落葉高木の裸子植物で、大きいものは高さ30m、直径2.5mになる。
世界で最古の現生樹種の一つであり、日本でも新第三紀漸新世の炭田からイチョウ属の化石が見つかっているが、約100万年前に絶滅したといわれる。
現在見られるイチョウの原産地は中国とされ、現在の中国東部の安徽省宣城市付近に自生していたものが、11世紀初めに当時の北宋王朝の都があった開封に植栽されたという李和文による記録があり、中国でイチョウが広くみられるようになったのはそれ以降であるという説が有力。中国の安徽省および浙江省には野生状態のものがあり、他の針葉樹・広葉樹と混生して森林を作っているという。
日本への渡来時期としては、1323年に当時の元の寧波から日本の博多への航行中に沈没した貿易船の海底遺物の中からイチョウが発見されている。また、文字資料としては、1370年頃に成立したとみられる『異制庭訓往来』が最古と考えられている。そのため、1300年代に貿易船により輸入品としてギンナンが伝来したとするのが最も有力な説。
火や大気汚染に強く、病害虫にも強い特性を持っていることから、街路樹、寺院や神社、学校などの植栽樹として植えられている。長寿で、寺社には樹齢が数百年以上といわれるイチョウの大木があるところもある。
雌雄異株で、雄花は長さ2cmほどの円柱形、雌花は長さ2~3cmで細長い柄の先に胚珠が2個つく。
花粉は風に乗って数キロ離れた先でも受粉するが、受粉後しばらく時を経た9~10月頃、花粉管の中に精子(精虫)を作って受精する。
雌株には、10~11月にギンナン(銀杏)と呼ばれる実が熟す。イチョウは裸子植物であるため、ギンナンはイチョウの果実ではなく種子そのもの。一番外側の悪臭がある多肉質の部分は外種皮で、その内側にある白くて硬い殻が中種皮、そして食用にする部分は胚乳である。
外種皮にはギンコール酸、ギンコトキシンという成分が含まれており、汁液が皮膚に付着すると皮膚の炎症や痛みを招く。
胚乳は茶碗蒸しに入れるなど食物として利用されているが、ビタミンB6の働きを抑えるメトキシピリドキシンという成分が含まれており、食べ過ぎると吐き気、下痢、震え、痙攣などの中毒症状が出るので注意が必要。
葉は扇型で幅5~7cmほど。上端には不規則な凹凸があって浅く裂けるのが普通。
葉のエキスにはフラボノイド配糖体やテルベンラクトンが含まれ、血液の循環を改善する効果や記憶力を維持する効果があるとして健康食品に利用されている。
名前の由来
中国名のイーチャオ(鴨脚=葉の形がカモの足に似ることから)が転訛したものとされる。
同定上のポイント
データ
- 学名 : Ginkgo biloba L.
- 目 : イチョウ目
- 科 : イチョウ科
- 別名 :
- 分類 : 外来種
- 外来種備考 : 中国原産:1300年代初期に渡来という説が有力
- 葉のつき方 : 互生
- タイプ : 落葉広葉
- 樹高 : 高木
- 花の色 :
- 開花時期 : 4月~5月