### 特徴
タチシノブは、シノブ科シノブ属に属する夏緑性のシダ植物である。
その名の通り、岩や樹幹に長く横に這う根茎から、葉が立ち上がって叢生する。
葉は繊細な印象の卵状三角形で、3〜4回羽状に深く裂ける。
胞子嚢群は小羽片の先端に付き、コップ状の包膜に覆われる。
山地の湿った岩上や樹幹に着生し、しばしば群生する姿が見られる。
### 名前の由来
和名の「タチシノブ」は、根茎から伸びる葉が、他のシノブ科植物に比べて「立ち上がって」生えることに由来する。
「シノブ」は、岩や樹木に「忍び」寄るように着生する性質、または冬の寒さに根茎が「忍び」耐えることから名付けられたとされている。
### 同定上のポイント
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シノブ:タチシノブの葉が根茎から立ち上がって叢生するのに対し、シノブの葉はやや垂れ下がる傾向がある点で区別できる。また、シノブの葉はタチシノブよりも大きく、羽片の切れ込みが粗いことが多い。
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ミヤマシノブ:タチシノブの葉が比較的しっかりとした質感であるのに対し、ミヤマシノブは全体的に小ぶりでより繊細な印象を与える。また、ミヤマシノブは胞子嚢群が小羽片の縁に沿ってつくことが多く、タチシノブのコップ状の包膜とは形状が異なる場合がある。生育環境もミヤマシノブはより湿潤な環境を好む傾向がある。