### 特徴
落葉広葉樹の高木で、高さは20~30m、幹の直径は1 m以上になり、板根が発達する場合もある。
葉には基部を除いて鋸歯がある。葉の表面の短毛にケイ酸が集積し表皮細胞がケイ酸質に富んでいるので、葉を指でこするとヤスリのようにザラザラしている。そのため、ベッコウ、象牙、漆器の木地などの仕上げ磨きに使われる。
果実はエンドウ豆より一回り大きく、黒く熟してしわの寄った果実は干し柿のようで甘くておいしい。
日本(関東地方以西)、朝鮮半島、中国、台湾、インドシナに分布する。
材は堅く、農具、野球のバット、三味線の胴、馬の鞍、床柱などに使われる。
### 名前の由来
ムクドリが実を好むのでムクノキになったという説、大木になると樹皮が剥がれてくるので剥く(ムク)からムクノキになったという説、ザラザラする葉を研磨剤に用いたことから「磨く」を意味する古語「むく」からムクノキになったという説がある。
### 同定上のポイント
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エノキ:葉の表面はさらっとしていてざらつかず、鋸歯が葉の上半分に偏って現れるのに対し、ムクノキは葉の表面がヤスリのように強くざらつき、基部を除く縁全体に鋭い鋸歯がある。また、果実が熟すと橙褐色になる点でも黒褐色に熟すムクノキと異なる。
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ケヤキ:葉の鋸歯の先端が内側にカーブを描いた特徴的な形状(曲針状鋸歯)になるのに対し、ムクノキの鋸歯は直線的に鋭く尖る点で区別できる。また、ケヤキの果実は歪んだ扁球形で小さく、黒く熟して甘くなるムクノキの果実とは異なる。