特徴

人里近くの畑地、川や池の土手に生える多年草で、花茎の高さは50~80cmになる。
日本の北海道~沖縄と、東アジアに広く分布する。
古い時代に作物と共に日本へ入ってきた史前帰化植物ではないかといわれている。
全体にネギやニラに似た臭いがあり、地下に小さな丸い鱗茎を持ち、地上に細い葉を伸ばす。地下にある鱗茎は球状で白色。秋から発芽して葉を出し、越冬する。
葉はネギを小さくしたような形で晩秋から伸びだし、細長い線形で生長すると20~30cmのものを数本出す。葉は柔らかく中空の筒状で、表面に白い粉をふいているような白みを帯び、中部以上は内側が凹んだ浅い溝状となって、中空で断面が三日月形をしている。
40~60cmの花茎を1本だけ伸ばし、先端にネギ坊主を小さくしたような小花が多数球状に集まった花をつける。花径は4~5で、白色または淡紅紫色を帯びた花被片が6枚あるが、
実際には花弁は3枚、残り3枚はガクが変化したものである。
花序には小さな球根のような紫褐色の珠芽(ムカゴ)をつける。花を咲かせずにムカゴだけが着生するものや、花を咲かせている個体でもムカゴと花が混じるものがある。
ムカゴの散布以外にも、球根が盛んに分球して繁殖する。
球根は生で味噌をつけて食べるほか、軽くゆでて酢味噌で食べるとおいしい。

名前の由来

野に生えるヒル(蒜)という意味。蒜はネギやニンニク、ニラなどネギ属の野菜の古称で、蒜という呼び名は、食べるときに辛くて舌がヒリヒリすることにちなむといわれている。
古事記や万葉集に蒜(ひる)としてでているのは、ノビルの可能性が高いといわれている。

同定上のポイント


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