### 特徴
イネ科カラスムギ属の一年草または越年草である。ヨーロッパ原産の帰化植物であり、畑地、道端、荒れ地など、日当たりの良い場所に広く生育する。
草丈は30cmから1mほどに達し、茎は直立する。葉は線形で、長さ10~30cm、幅5~10mm程度。葉鞘は無毛か、まばらに毛が生えることがある。
花期は春から初夏(4月~7月頃)で、円錐状の花序を形成する。多数の小穂がまばらに垂れ下がってつき、風に揺れる姿が特徴的である。小穂は大型で、長さ2~3cmあり、通常2~3個の小花を含む。
各小花には、長くねじれた特徴的な芒(のぎ)がある。この芒は乾燥すると強くねじれ、湿潤するとまっすぐになる性質を持つ。種子は熟すと黒褐色になる。
穀物としては利用価値が低く、主に畑の雑草として扱われることが多い。
### 名前の由来
「カラス」は、食用にならないことや、穀物としての価値が低いこと、または黒っぽい芒や熟した種子の色に由来するとされる。カラスが食べないという意味合いで用いられることもある。
「ムギ」は、イネ科植物であり、麦類に似た穂の形状を持つことから名付けられた。
### 同定上のポイント
-
エンバク:カラスムギの近縁種で、栽培されているオートムギのことである。カラスムギの小穂は通常2~3個の小花からなり、各小花には長くねじれた芒があるのに対し、エンバクは品種によって芒がないか、あっても短く目立たないものが多い。また、エンバクの小穂はカラスムギよりも全体的に大きく、粒がふっくらしていることが多い。カラスムギが野生化しているのに対し、エンバクは主に栽培される。
-
スズメノチャヒキ:小穂の形が似ているが、スズメノチャヒキの小穂は全体的に小さく、芒も短くて目立たないか、ほとんどない。また、スズメノチャヒキの小穂は通常5~10個の小花からなるのに対し、カラスムギは2~3個の小花である。
-
カラスノチャヒキ:小穂はカラスムギよりも細長く、芒はカラスムギほど長くねじれない。カラスノチャヒキの小穂に含まれる小花の数もカラスムギより多く、5~8個程度である。