### 特徴
水田の畦や用水路、休耕田、溝、湿った草地などに生え、高さ15~80cmになる多年草。
日本全土と、韓国の済州島、台湾に分布する。
茎は多く分枝し、斜上する毛があるかまたはやや無毛。類似種のケキツネノボタンは、草全体に密に毛が生えているが、 毛の量は個体によってかなり差がある。そのため、茎の毛の有無や毛の量は種の区別の決め手にはならない。
根出葉は長柄があり、幅4〜10cm、3出複葉。小葉はやや長柄があって、卵形、3深裂し、裂片にはふぞろいな鋸歯があり、両面にねた毛がある。茎葉は短柄があり、3出複葉、上部のものは、単に3深裂。
裂片の縁が丸みを帯びるものが多いが、尖るものもあり、この形質だけでは裂片の縁が尖るケキツネノボタンとの区別ポイントにはならない。
花は直径10~15mm、黄色の5弁花。
果実はコンペイトウのような集合果でほぼ球形、長さ約15mm。そう果は長さ3.5~4mm、やや扁平で、縁には3稜がある。そう果の扁平面には片側の縁沿いに弧状に稜がある。先端のトゲ(花柱)はカギ状に曲がる。
類似種のケキツネノボタンは果実のそう果の先端のトゲ(花柱)が直線又はカギ状に少し曲がり、キツネノボタンは大きく曲がるとされてきたが、この区分方法はあてにならない。
プロトアネモニンというアルカロイド物質を含む有毒植物。
葉などをかむとヒリヒリする辛さがあり、誤って食べると消化器官がただれる。また、触って汁がつくと皮膚がかぶれるので注意が必要。
### 名前の由来
葉の形がボタン(牡丹)に似ており、野に咲く野生のもの、あるいは有毒で人を化かす野獣のキツネ(狐)に見立てて名付けられたとされる。
### 同定上のポイント
-
ケキツネノボタン:そう果の扁平面の縁に沿ってリング状の鈍稜がある。本種(キツネノボタン)はそう果の扁平面の片側の縁沿いに弧状の稜がある点で区別できる。