### 特徴
古くからある石垣や道端に生える越年草で、茎は分枝して広がり長さ10~25cmになる。
花は淡いピンク色をした直径3~5mmの小さな花で、雨などの天気の悪い日には開かない。
種にはエライオソームと呼ばれる小さな粒がくっついていて、この粒にはアリが好む脂肪酸、アミノ酸、糖類などが含まれているため、アリが巣に運んでエライオソームを食べた後の種を巣の周りに捨てる。このようにしてアリが種を運ぶことから、石垣のすき間などに生える。
日本の本州~沖縄と東アジアに広く分布する。
昔は普通に見られたが、外来のオオイヌノフグリやフラサバソウに生育地を奪われるなどして、ほとんど見ることができなくなっている。
兵庫県内では、農村部よりは県南部の都市部の石垣などでまだ見ることができる。
### 名前の由来
果実の形状が雄犬の「フグリ」、つまり陰嚢に見立てたことから名付けられている。
### 同定上のポイント
-
オオイヌノフグリ:花は瑠璃色(青色)で径8~10mmと大きく、イヌノフグリの淡いピンク色で径3~5mmの小さな花とは色と大きさで容易に区別できる。
-
フラサバソウ:全体に長い毛が多く、花柄が短くて葉に隠れるように青紫色の花をつけるのに対し、イヌノフグリは花柄が伸びて淡いピンク色の花を咲かせる。
-
タチイヌノフグリ:茎が直立し、花は青紫色で径2mm程度と小さく花柄がほぼ無いのに対し、イヌノフグリは茎が伏して広がり、明らかな花柄があって淡いピンク色の花をつける。
-
コイヌノフグリ:花は白色から淡青色で径2mm程度と極めて小さく、果実に開出毛が多いのに対し、イヌノフグリは淡いピンク色の花を咲かせる。