### 特徴
ヤブガラシは、日本全国の道端、荒地、庭先など、いたるところに生育するつる性の多年草である。
非常に繁殖力が強く、他の植物に巻きつき、覆い尽くしてしまうことから「ビンボウカズラ」の別名も持つ。
茎は左巻きに他物に絡みつき、葉腋から出る巻きひげでさらにしっかり固定する。
葉は掌状複葉で、通常5枚の小葉から構成される。小葉は卵形から広卵形で、縁には粗い鋸歯がある。
夏になると、葉腋から花序を出し、緑色を帯びた黄色の小さな花を多数つける。花弁は4枚で、すぐに脱落し、その後に残るオレンジ色の花盤と雄しべ、雌しべが目立つ。
花後には直径5mmほどの球形の液果をつけ、秋には黒く熟す。
### 名前の由来
「ヤブガラシ」の名前は、藪に生え、他の植物に絡みついて枯らしてしまうほどの強い繁殖力を持つことに由来する。
「ヤブ」は生育場所である藪を指し、「ガラシ」は「枯らす」を意味する。
別名である「ビンボウカズラ」は、この植物が庭にはびこると、あまりの繁殖力に手入れをする気も失せ、そのうち貧乏になってしまう、あるいは貧乏な家ほど手入れが行き届かず生い茂る、といった皮肉を込めて付けられたと言われている。
### 同定上のポイント
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ヘクソカズラ:ヤブガラシと同じくつる性の雑草であるが、葉の形が異なる。ヘクソカズラは対生で卵形から広卵形の単葉であるのに対し、ヤブガラシは互生で5枚の小葉からなる掌状複葉である。花も大きく異なり、ヘクソカズラは白い筒状で内側が赤紫色の花をつける。また、ヘクソカズラは特有の悪臭がある。
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ツタ:つる性で巻きひげを持つ点は共通するが、葉の形状が異なる。ツタの葉は単葉で掌状に3〜5裂するか、3小葉の複葉である。ヤブガラシのような明確な5枚の小葉からなる掌状複葉ではない。
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ノブドウ:同じくつる性で巻きひげを持つが、葉は単葉で掌状に浅裂または深裂するものが多く、ヤブガラシの5枚の小葉からなる掌状複葉とは異なる。果実もノブドウは多様な色合いを持つ球形の液果であり、ヤブガラシの黒い液果とは見た目が異なる場合が多い。