形態
落葉高木で、樹高は10〜15mに達する。葉はカエデ属としては珍しく、切れ込みのない単葉で、縁に重鋸歯があるのが特徴。葉脈が平行に走り、クマシデやイヌシデの葉に酷似している。秋には鮮やかな黄色に紅葉する。
分布
日本固有種で、本州の関東地方以西、四国、九州の山地に自生する。特に谷沿いや沢沿いの湿り気のある場所を好み、比較的稀な種とされる。和名の「チドリノキ」は、果実の翼果がほぼ平行に開く様子が千鳥が飛ぶ姿に似ていることに由来する。
同定上のポイント
- カエデ属でありながら、葉に切れ込みがなく、縁に重鋸歯がある点が最大の特徴。葉は対生する
- 果実の翼果の翼がほぼ平行に開く。他のカエデ属の多くがV字型や鈍角に開くのとは異なる
- クマシデやイヌシデに葉の形が酷似するが、チドリノキはムクロジ科カエデ属で葉が対生し、翼果をつける点で区別できる(クマシデ、イヌシデはカバノキ科で葉が互生し、堅果をつける)
- ホソエカエデも切れ込みのない葉を持つが、チドリノキの葉はより幅広く、鋸歯が細かい。また果実の翼の開き方も異なる