特徴
コハウチワカエデは日本原産の落葉高木で、掌状に5~9裂する葉を持つ。葉の切れ込みは比較的浅く、縁には明瞭な重鋸歯が見られるのが特徴である。
秋には鮮やかな赤色や黄色に美しく紅葉し、庭木や公園樹として親しまれている。樹皮は滑らかで灰褐色、若枝は赤みを帯びることがある。
名前の由来
「コハウチワカエデ」という名前は、その葉の形が「小(コ)」さな「羽団扇(ハウチワ)」に似ていることに由来する。「ハウチワカエデ」と比べて葉が小さく、団扇のような丸みを帯びた形状を持つことからこの名がつけられた。
カエデは一般的に葉がカエルの手に似ていることから「蛙手」が転じたとされる。学名の種小名「sieboldianum」は、日本の植物研究に貢献したシーボルトにちなむ。
同定上のポイント
- ハウチワカエデとは、葉の切れ込みの深さと裂片の数で区別できる。コハウチワカエデは通常5~9裂で切れ込みが浅いのに対し、ハウチワカエデは9~11裂でより深く切れ込む傾向がある。
- イタヤカエデの仲間とは、葉の鋸歯の有無で見分けられる。コハウチワカエデには明瞭な重鋸歯があるが、イタヤカエデ類は鋸歯がないか、あっても粗い単鋸歯である。
- オオモミジやイロハモミジとは、葉の切れ込みの深さが異なる。コハウチワカエデは切れ込みが浅く、葉の基部まで深く裂けないのに対し、これらの種はより深く掌状に裂ける。
- 翼果の翼がほぼ水平に開く点も同定の助けとなる。