特徴
カツラ科カツラ属の落葉高木である。樹高は20m以上にもなり、幹は直立し、樹皮は縦に裂けて剥がれる。
葉は広卵形から円形で、基部がハート形にくぼむ特徴的な形をしている。秋には鮮やかな黄色に紅葉し、キャラメルのような甘い香りを放つ。
雌雄異株で、葉の展開に先立って、花弁のない小さな花を咲かせる。材は加工しやすく、建築材や家具材としても利用される。
名前の由来
カツラの語源には諸説あるが、最も有力なのは、秋の黄葉時に放つ甘い香りに由来する「香出(かづ)ら」が転訛したという説である。
また、蔓(かずら)のように柔軟な枝を昔、頭に巻きつける飾りに使ったことから「鬘(かずら)」が転じたという説もある。
漢字表記の「桂」は、中国のモクセイ科の植物「桂(ケイ)」に姿が似ていることから当てられたもので、本来は異なる植物である。
同定上のポイント
- 葉は広卵形から円形で、基部がハート形に深くくぼみ、葉脈が放射状に広がる点が特徴である。
- 秋の黄葉時には、独特のキャラメルや綿菓子のような甘い香りを放つことで、他の樹木と容易に区別できる。
- 樹皮は若木では滑らかだが、老木になると縦に深く裂け、薄く剥がれ落ちる。
- トチノキとは葉の形が似るが、カツラは単葉であり、トチノキは掌状複葉である。
- ミズメも葉が似るが、ミズメはカバノキ科で葉の基部が左右不対称になり、樹皮がカバノキのように横に剥がれる点で異なる。
- イタヤカエデなどのカエデ類は、葉が掌状に裂けるものが多く、果実がプロペラ状の翼果である点で区別できる。